第1章 お神酒でもダメで
「「「明けましておめでとうございます!」」」
私の父の実家には、毎年沢山の親せきが集まる。
皆んなが皆んな、それぞれのことを分かっていて、いとこや、はとこになると、兄弟みたいなもんだ。
「おめでとうシオちゃん、みてみて!お年玉、一万円札!」
いとこの少年が言う。
「良かったね!何か買いたいものはあるの?大切にするんだよ」
確か、今年で小学5年生になるのではないか。エアガンが欲しいとか言い出しそうだ…
「栞、ほらお神酒だ、飲め飲め」
お神酒だと…だめだけど、父が飲んでいるビールを、だめだけど!少し飲むだけでも顔の赤くなる私にお神酒だと!
「イ、いただきます」
「大丈夫だ大丈夫だ!アルコールそんな入ってねぇし、一口だけでも良いからよ!」
「…」コク
一口飲みました。お猪口に一杯入ってるし、アルコール
そんなに入ってないって言ったよね?
もっと飲んでも大丈夫かな…?
そう調子に乗ったのが間違ったようだ。
頭がクラクする。
本当、お酒に弱いのは母譲りかな、ああ、母はお酒に弱くてね。
あれ、だめかも
「…気持ち悪」
「え⁈お姉ちゃん大丈夫?…おばあちゃーん!」
ありがとう、美咲ちゃん(いとこ)、、でも、もうダメみたい
「ゔッ!」
「栞ちゃん!あらまぁ、おトイレに行って、思いっきり吐いて来なさい!」
そうします。
「はぁ〜、新年早々お神酒で吐くとか…」
「ふふっ、本当に栞ちゃんのお酒の弱さはお母さん譲りね」
向こうの部屋で休んでいても良いらしい。
そうさせてもらおう。
…和室!!敷き布団!
「ん〜、転がっているだけにしようと思ってたんだけど…眠いや」
よし寝るか
瞼が下がっていく。
そんな中聞こえたのは、さっき聞いた少年の声よりは低く
な、なんか、キャピキャピした声が聞こえたような、聞こえなかったような…