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ありふれた世界で【東京喰種】

第2章 姉と弟






「あ、ようやく来てくれたねトーカちゃん。」

「すぐに着替えてきますね!」

私と同じくらいの歳の女の子もここに働いてたんだ。
いつも裏の仕事として情報を提供するなどしかしてなかったからこんなこと知らなかった。

それにしても誰かに似ているような・・・。

そんなことを考えていると、さっきの女の子は着替えてきたのかこの店の制服を着て出てきた。

「あ、自己紹介がまだだったね。私、霧島董香。まぁ、よろしく。」

そう言われ、ピンと来た。
何故誰かに似ていると感じたのか・・・。

『よろしくお願いします。・・・あの、霧島って苗字ってことはアヤト君のお姉ちゃんかなにかですか?』

「な、なんであんたがあいつのことを・・・!?」

『その様子だとお姉さんなんですね。
アヤト君には少しお世話になっているので。』

「・・・元気にしてんの?」

『え?』

「ア、アヤトよ!元気にしてるのかって聞いてんのよ!」

あぁ、やっぱりなんだかんだ言ってお互い相手の事を気にかけているんだ。
脳裏にいつもふてぶてしいけど本当は優しい彼の姿が浮かぶ。

『元気にしてらっしゃいますよ。』

そう、はにかんで言った。

「そ、うなんだ・・・。昔出ていったきり帰ってこないからさ・・・元気にしてるなら良かった・・・。」

すると急に俯いていたのに私の方を見る。
そして、顔を真っ赤にし

「このこと、みんなには言うなよ。」

そんなことを言う彼女。

『はい、言いませんよ。これでも口はかたいと言われてるんですよ。』

そう、またはにかんで言った。

「・・・あんたさ、」

『はい・・・?』

「笑うのもしかして苦手?」

おそるおそると言った形で聞かれる。
私は顔の、主に頬を触る。

『え・・・、もしかしてうまく笑えていませんでしたか?努力します。』







「・・・あんた、もしかして笑えないの・・・?」











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