第1章 一人の少女と医者
side 夢主
いつもの様にパパに呼ばれて、仕事をこなす。
それが私の日常であり、そして・・・生きる価値だった。
私を産んでくれた父さんと母さんが、どんな人かわからなくて、気がついたら一人で行くあてもなく毎日生きるのに精一杯だった。
そんな時、パパが手を差し伸べてくれた。
パパは、私に生活に必要な服やご飯、そして・・・生きる価値と家族まで与えてくれた。
パパがこの世界にとって、悪虐非道の行為を繰り返しているのも知っている。
そして、私のことをただの物・・・扱いやすい道具として利用しているのも知っている。
・・・それでも私は、
パパの望むように従うだけ
パパは、私に弟ができたと言った。
血の繋がりなどない。
でも何故か不思議と彼・・・金木研なら
“こんな私の人生を変えてくれる人かもしれないと思った”