第25章 *賭け*
…私達はお互いを見つめる
赤司君には勿論、私も隙を与えない
" バン "
" バン "
そして、一気に駆け抜ける
…まあそれだけじゃ赤司君は抜けないよね
「!」
と、危ない。 油断をしたら
持っていかれるところだった
赤司君も本気みたいだね
…じゃあ本気出させてもらうわよ
" スッ "
(#赤)「!」
「気づいた?」
そう、私は今ボールをついている
……けどそこには音がない。
そして一気に駆け抜ける
ドリブルをしながらスピードを生かして
赤司君を抜く
" シュッ "
私はリングに掠めることなくボールを入れた
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
勝負は私が勝った
「どう…だった?」
(#赤)「……僕が負けた?」
普通、勝者が敗者にかける言葉なんてない
けどこれは1on1であり試合ではない
(#赤)「君は…一体」
「私は元プレイヤーの野塚香奈
…無謀な勝負挑んでごめんね?」
(#赤)「…いや、いい」
「ねえ、赤司君 私とのバスケどうだった?」
(#赤)「…久々に" 楽しい "と思えたよ
勝敗は途中から考えていなかった
君に勝ちたい、そう思えるような勝負
だったよ」
「!」
…ビックリした 赤司くんの口から
楽しいっていう言葉が聞けるなんて
「…そう」
(#赤)「…おや、時間だ
またやろう。 香奈」
「ええ… 赤司君」
赤司君は ふっ と笑うと消えていった