第31章 尾行と捕獲と旅団本拠地
「なんであんたが隣なの」
ごく普通に私の左へ座ってきたフェイタンに睨みをきかす。
「何ね悪いか」
「悪いよ!ここはどう考えても私が美人たちに挟まれて座るシナリオでしょーが!とゆーわけでマチさん!フェイタンと席代わってください!」
「うるさいよあんた。空気読みな」
スッパリ言われたぁ!
すると前に座っていた眉なしジャージ男が振り返る。
「てゆーかお前達いつの間にそんな仲良くなったんだよ」
「どう見たらこれが仲良く見えるの」
「この女ワタシに蹴り入れたね」
「ほぉ~、なるほどフェイタンが気に入るワケだ。やるな嬢ちゃん」
「話を聞けェェ!!」
なに!?ここでも私へのスルースキルが発揮されるの!?
一人で荒ぶっていると、右側から体を引っ張られた。
「まぁまぁお嬢ちゃん、落ち着いて」
「!!」
もふんっと、顔に当たったのは隣のお姉さんの豊満なむ、む………胸ぇぇ!!
私は今お姉さんに抱きしめられているのかぁぁ!!?
やばい、鼻血出ちゃう!
「お嬢ちゃんには色々と聞きたいことがあるのよ。鎖を使う念能力者を知らないかしら?」
「さ、サソリ!?知りません知りません!!」
「鎖ね」
鎖!?そんな中2くさいもの使う念能力者とかいるの!?
うーん、知り合いにも今まで会った人のなかにもそんな人はいない……
「ホントに知らないですよ!」
「………分かったわ、ありがとう」
スッ…と離れるお姉さん。
あっ……できればもっと堪能したかった…
ぱすん!
「あでっ!」
「なに残念そうな顔してるね」
今度は左側のフェイタンに頭をはたかれた。
く、くそう!さっきからワケもなくムカつく~!!
再び私とフェイタンが口論を始めると、運転席の長髪男が困り顔でため息をつく。
「…オイもう出発していいか?」
「いいよ、後ろは放っときな」
放っとかないでください!!