第29章 賞金とカタログとかくれんぼ
「うむむ…」
「ダメだな、めぼしい情報は留守録にもメールにも入ってない」
「こっちも収穫なし」
あれから近くのネットカフェで目撃情報が入ってないか調べたところ、やっぱり収穫は0。
「旅団一人につき20億は魅力だけど、見つけるのは厳しいかもね」
「そうは言っても、もう500万払っちまったしよ。他に方法あるか?」
「ないです」
でもこのままじゃいくら経ってもオークションに間に合わない。
何か手をうたないと…
「サザンピースのオークションって6日からだよね?」
「うん」
でももう3日しかないという事実。
「まだ3日あるよ!その間に一人でも捕まえればそいつを締め上げて他の団員の居場所を聞き出せば芋づる式に捕まえることも可能だよ!」
「おぉ!?いつになく過激だなゴン」
「求める情報も決定的なものだけに限るんだ。そのかわり報酬も高額にする!」
なるほど、確かにそれなら情報の真偽にかかる時間も大幅に減るし効率的。
でも、
「高額って言っても手元には300万の宝石しかないよ?」
「あぁ。それに伝言サイト内じゃ800万出すって連中もいたぜ」
するとゴンは少し考えてから、
「じゃあオレ達は1500万出そう!」
「ファッ!!?」
「なっ…その金どこからひねり出すんだよ!!」
キルアと私が驚愕していると、ゴンが取り出したのはハンター証。
……………え?まさか……
「それではハンター証を担保に1億ジェニーお貸しいたします。返済期日は9月10日!利息は0%です」
そのまさかでした。
「ままま待ってゴン!!あんなに苦労して手に入れたハンター証に何をしてるの!!」
「質に入れる」
「分かってるよ!!」
何でこんなに冷静なんだこの子!
流れちゃったら2度と取り戻せないかもしれないのに!!
「だって売るわけにはいかないしさ。銀行じゃ貸してくれないしサラ金は利息高いし」
「何でお金事情に関してそんなに詳しいの」
あ、もうサインまでしちゃってる。
「さぁ、これでもう前に進むしかないね!」
手続きを終えて振り返ったゴンの顔は、まさにヒソカ戦で見た戦いを楽しむ目をしていた。
いや、こんなとこで勇気見せられても困る!!