第26章 箱とゲームとメッセージ
『会う気があるならこのまま聞いてくれ。もしその気がないなら、停止ボタンを押せばいい』
会う気があるから聞いてんのにね。
しばらく次の言葉を待っていると、またジンさんは話し始めた。
『……イエスってことか。それじゃもう一度聞くぜ。覚悟はあるか?』
今度は覚悟ですかい!!
この人意外としつこいな!
『ハンターってやつは手前勝手なもんだ。自分が欲しいもののために他のものを捨てていく………できれば会いたいって程度の気持ちならここでテープを切っといた方がいい。一分やろう』
「………」
ゴンを見ると、もう覚悟はバッチリみたい。
とゆーことで待つこと一分。
『………ふー、そんなに会いたいか』
なんだかあきらめたように話すジンさん。
おおおっ、やっと話してくれるのか!
……と思っていたのに、
『オレはお前に会いたくない』
何でだァァァァア!!!
よく聞くとため息とか聞こえてくるし、どんだけ会いたくないんだよこの人。
『ハァー……正直なとこ、どのツラ下げて会えばいいのかわからねーしな。なにしろオレはオレのために親であることを放り出した人間だ。ろくなもんじゃねー』
「…………」
ジンさん……
『オレがこれを吹き込んでからお前が聞くことになる日まで、最低でも10年以上の時を経ているだろう……だが、その間絶対に変わらないものがある』
『オレがオレであることだ』