第1章 ……
「私はね、気づいたら、その人と似てるひとや
同じしゃべり方の人、少しでもにてたりしてるひとと遊んだり、付き合ったりしてた。
でも、なにか違うのよ。
そしてあのとき、ヒロトに出会った。」
ヒロト、大好きなヒロト。
「あの人に少し似ていた。
でも、知っていくうち、いっしょにいるうちに、
全然違うことに気づいた。
健全で、きれいで、純粋なヒロト。
私とは全然違う。
離れなくちゃいけないのに、
ヒロトが向かいに来てくれたり、無邪気な毎日が楽しかった。
ほんとはあのとき、私をマンションに上がるまで待っててくれて、
嬉しかったのよ。」
「マユミさん。こっち向いて。」
いつのまにか涙が出ていたらしく、
ヒロトが私の涙をすくった。