銀魂かっこいいタイトルつけたら更新できないと思うからごめんね
第14章 本物のSは人の心を読むのが上手で床上手
かろうじて、ひろ乃ちゃんと簡易修理を終えることができた
「ふう〜っ!これでなんとか誤魔化せますかね?」
「どうだろう…明日にでも業者さん呼んだほうがいいかも」
苦笑いして答えた
ダンボールとガムテープで塞いだだけ…逆に悪目立ちしてしまった気さえする
入口のすぐそばにできた穴は直径1メートル程あり、なかなかに目立つ
いくら素人が頑張ったところでどうしようもなかった
「あとで手配しときますね!でもこれ、あの子の親に弁償させたほうが良くないですか?」
「え…」
「だってあの子が突っ込んできたからですよ?こっちが支払うのって変じゃないですか?」
「うん、まぁ」
確かにそうだ、ひろ乃ちゃんが言うことが正しい
でもさっき私は坂田さんと何も請求しないと約束してきてしまった
「華子さんが連れて行かれた所ってどこだったんですか?あの子んちとかわかります?子供のしたこと親も知っておかないといけないです。きちんと説明した方がいいですよ絶対」
正論だ
恐ろしいほど正論だ
でも約束もした、そしてもう関わらないと私は決意した
こ、困った…
「あ、あの子ね…ご両親居ないみたいなの。だから、その、私が出すよ!」
「えっそうだったんですか!?…それはちょっと弁償させるのも酷ですね」
嘘はついていない
アニメで見た記憶上お父さんは宇宙のどこかでハゲ散らかしながらも元気だろう
お母さんは…本当に居ない
小さい頃に亡くしているんだよね…なんかあのシーンを思い出すと親しくもないのに勝手に悲しくなってくる
そんな私の様子から、哀れな孤児という少女設定が仕上がった
ひろ乃ちゃんが言いにくそうに切り出す
「じゃあ…あの子今は…親戚のおうちとかで肩身狭く…?」
肩身狭いどころか我が物顔で住んでますね
親戚ですらない、他人の家で
「どうだろう…ちょっとそこまで話してないからよくわからないや」
「…保護者とかは居るかもしれないですけど、やっぱり言いにくいですね。華子さん、私も出します」
「ううん、今回のことは私がお店に迷惑かけたことだから。ひろ乃ちゃんが出す必要なんてないよ」
全く無関係のひろ乃ちゃんに出す必要なんてない
「そうだよ。あんた達が出す必要ないからね」
奥で聞いていた女将さんが調理場から出てきた