• テキストサイズ

【マギ】ジャーファルさんに愛されて。

第6章 【かけられた呪い】


*  *  *  *

(……シェリル)

木の上で身を隠しながら、座りながら、木に寄りかかって気を失っている彼女を見る。
口から少し血が出て、地面に小さな血だまりを作っていた。
この女が彼女に何かを飲ませていた、きっとそのせいだろう。
未だ私の居場所はバレていない…。
あの魔女の怒りがどの程度なのか知らないが…。

(私はアンタより、殺気と狂気で満ちている)

バララーク・セイを手に持ち、背を向けている女に向かって片方…右腹を貫き地面に突き刺した。
魔女のうめき声が聞こえ、こちらに振り返った所を、心臓に目掛けてもう片方の隠していたバララーク・セイを突き刺す。
赤い紐を引きながら、木から飛び降り、女の体を引っ張る。

「あ゛ッ、く…そッ!!」
「あなたは私を怒らせたんです。こんなものじゃ足りない…、もう跡形もなく刻んであげます」

ビュッ

『影』が、彼女の意識がないというのに揺らめいた。
そして、魔女をギリギリと縛り上げて離さない。
まだ怒りを宿している瞳には月に照らされて…まだ光があり、私はその両目をバララーク・セイで潰した。

「私のシェリルを、よくも、よくも、よくも。 私たちの契を、繋がりを…もう誰にも切らせない…」
「………………」

物言わぬ死体に何度も、『刃物で突き刺し、赤い紐を引く』その行為を何度も繰り返し、原型を留めていない『それ』を彼女に見せまいと、シェリルに歩み寄り、顔を隠すように胸もとに抱き寄せた。

/ 112ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp