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言われてみれば、単純で。 after

第3章 彼女の言い分


「あ、トモちゃん、そういえば今暇?」

「暇だけど、あんた丹羽イツキ待たせてるんでしょ?」

「いいよ別に。どうせ丹羽先輩だし。
 丹羽先輩。解散です」

「はあ?嫌だよ、折角キョーちゃんとデートなのに」

「丹羽先輩」

「わかった。あとで連絡頂戴」

変わってないなあ、こういう優先順位間違えちゃうとこ。

肩を落として歩く丹羽イツキ。
それに引き換え、キョーは近くにお気に入りのカフェがあるから、と随分と楽しそうにしている。

見ていられないよ。
私は慌てて丹羽イツキを呼び止めた。
彼女みたいに、懐かしい呼び方で呼び止めちゃったあたり私も少し彼女に振り回されてるのだろう。

「いやいや、待ってくださいよ、丹羽先輩。
 あたし、やっぱ忙しいわ。めっちゃ忙しいわ。」

「そうなんだ、残念。
 じゃあまた、今度遊んで」

「了解。連絡するね。デート楽しんで。」

「うん。ありがと。トモちゃんまたね。
 ...丹羽先輩。解散取り消しです。」

丹羽イツキは私の呼び止めた声を聞いて嬉しそうに振り向いてきた。
キョーが彼に少し冷たくする理由は照れだけではなくなっているのが何となく分かった。
あのへこんだ顔。この嬉しそうな顔。表情が豊か過ぎる。

「キョーちゃん、ホント?! じゃあ次何処行く??」

「えっと...もう欲しい本買ったので帰って読書です」

「えー」

「えーじゃないです。じゃあ私一人で帰りますから
 丹羽先輩は好きに遊んでて下さい」

「ちょっと、待ってよ。俺も帰る」


キョー、あんた、めっちゃ強いね。

申し訳ないけど、あの丹羽イツキの噂は全くの嘘じゃないことはずっと知ってた。
彼女にそれを告げなかったのは彼女がそれに気付いて欲しくなかったから。
私は彼女がずっと彼を気にしていたのを知っていた。

でもまさか、それがちゃんとこうやって形になってるなんて。


ゆっくりとを歩くキョーとそれを追いかける丹羽イツキ。
私はふたりの幸せを願った、心の底から。
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