第5章 喧嘩…?
正直、ヤバいと思ってしまった。
特にやましい関係でもないのに、衝動的に、口が動いた。
「こ、この人は従兄弟で、今は家に居候してるの!!じ、じゃあ、行ってきます!!」
「待って!ゆき…っ」
バタンッ。
思い切り扉を閉める。
「由紀乃?」
…多分、祐吾くんにはごまかしが効かない。
頭が良いし、今まで嘘をついてバレなかったためしがない。
「歩きながらで、いいかな…?」
「…あぁ。」
信じてもらえなんてもいい。とりあえず、話しておこうと切り出した。
琥太郎が犬だった頃から今に至る経緯を。
祐吾くんは何も言わずに聞いてくれた。
そして全部話し終えた。
「…で、さっき会ったアイツは犬だと?」
「うん…。」