第1章 第一弾 アンケート企画
時はきた―。
丘に、仁王と越前、千歳がいる。
向こうから馬の歩いてくる音がする。
「やあ、もう来てたのか。」
引っ付けたような笑顔をまとった幸村が来た―。
「姫はどこにいったんすか・・・」
「やあ坊や、ここにお探しの姫様とやらはいるよ」
姫は声にならない声で越前を呼んだ。
それが越前にとって愛しい声であり、痛々しい声でもあった。
「今から、姫さんを助けに行きます・・・。仁王さん、行って。」
「おうおう、わかっとるわ。・・・・幸村、久しぶりじゃのう。」
「やあ、仁王。まだ生きてたんだねえ。久しぶり。」
「やっと会えたのに、それはひどいじゃろ。まあええわ。」
仁王が行く、そして姫が来る。
「お前さん、戻れてよかったのぉ。」
姫が振り返るが仁王はすでに幸村の所へ向かっており、何かを言いながら馬にまたがっていた。
姫も越前の所へ向かった。
「戻れてよかった。」
越前の低い身長から伸ばされる手は姫の体を抱き込めた。
「これで終わりっすね。」
静かな青空は、この騒動の終わりを告げた。