第21章 だいたいそう
翌日。
家で昼ご飯を食べて、いつものショッピングモールに一緒に出掛ける。
いつもと同じように、お店ブラブラみたり、お茶飲んだり、ドーナツ食べたりして過ごす。
「そろそろ帰ろうか」
夕方になって、彼が切りだす。
「そうだね。帰ろうか」
私は同意する。
「また今晩もLINEしますから」
「うん」
お別れは寂しいけど、笑顔で頷く。
「すごく楽しかった。ありがとう」
私の顔を見つめて、彼は笑顔で言う。
「…だめだ。そんなの改めて言われると泣きそう。バカみたい。永遠の別れでもないのに」
本当バカみたいだ。
バカみたいってわかってるのに、涙は勝手ににじんでくる。
「優子さん、笑って」
彼が私の頬を手で優しくぽんぽんとする。
「うん」
私は顔を上げて笑う。
「バイバイ。また遊ぼうね」
「またね」
私たちは笑顔で手を振った。