第13章 【花巻貴大】シュークリーム
「なんだよやけに嬉しそうだな」
彼女の顔を不思議そうに覗きこむ松川。顔の距離が少し近い、心臓がバクバクする。軽く深呼吸した。
それよりも、そんなに喜ぶのが珍しいのだろうか、感情は結構だしてるはずなんだけどなー。
疑問符を浮かべ悩んでいると松川がこちらを見て「そんなにシュークリーム好き
なのか、毎日食ってるけど?」と聞かれた。
なんか食いしん坊みたい。
少しイラついて「好きだけど」と言い捨てた。それを聞いて彼はふーん、という表情をして姿勢を戻した。
気を取り直してお願いしヨーカ。
「花巻シュークリーム頂戴!!」
そう言って彼を見るとムスッと不機嫌そうにこちらを睨んでいた。なんだよ、また、、、
何もしてないのに、、、
「どうしたの、私何かした?」
「……い、」
「は?聞こえない」
「お前ら近すぎ、は俺の彼女なんだぞ!!」
そう言っての腰に抱きついた花巻。なぜそこなのだ。
花巻を体から剥がし取り頭を掴み「シュークリーム!!」っと叫んだ。そしたら彼は渋々ビニール袋を差し出す。取り上げあさってみればイチゴ味のシュークリームが入っていた。
「イチゴ味かー」
「美味しいじゃん、イチゴ、てか頭離して。頭と腰痛いから」
「あ、ごめん」
「いや、いいけど別に」
不機嫌そうな彼とシュークリームをキョロキョロ見比べながら、悪いことしたし、今日はちょっとサービスしようかな。なんて思った。
「ねぇ、花巻?一緒にシュークリーム食べない?」
「え、そのつもりで来たんだけど」
「サービズの意味ねー」
fin