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【ハイキュー短編集】俺達はまだ若い

第13章 【花巻貴大】シュークリーム


呆れて鼻でふっと笑えば、彼は顔を少し歪めた。それを見ていい気味だと内心思うもいた。まあ、鼻で笑われていい気で入る人のほうが可笑しいから当たり前か。

「何も笑うことはねぇだろ!!」
「いやー馬鹿だなって思っただけで」
「俺そんなにテンション高かった?」
「まぁな、」
そう言って松川もニタニタ笑う

そんな二人の様子を見て怒りがふつふつと沸き上がってくる花巻。笑いが止まらない二人にどこが面白いのだと言いたそうな顔をして、子供のようにそっぽを向いた。

その後急に上を向いて考え込んだかと思うとはっとした嬉しそうな顔で私の方に勢い良く振り向いた。
その勢いに押され何だ何だと後ずさり。そのせいでゴンッと強くドアに頭を打った。

彼女は頭を抱え込んで無言になった。

痛い。

「人のことをバカにするから罰が当たったんだよ」
「そうだな」
またもやニタニタ笑う松川

「松もさっき笑ってたでしょ」
「笑ってねぇよ」
真顔で答える彼、内では笑ってる癖に、うぜぇ。軽く睨みつけると「さっきの花巻のパターンだな」なんて言って笑われた。そんなの知っとるわい。

「それにしてもなんでいきなり振り向いたのよ、吃驚したじゃない!!」
「いや、思い出したから」
「何をだよ、主語抜けてるし」
「んーに有益な情報!!」
「え!?何それ!!教えて」
「謝ったら教えてやる」
「ごめん」
「即答かよ……」

腕を組んで見下ろす花巻に即効頭を下げる私はプライドなんてないのだとよく思う。
理由を聞きたいだけだし、別に対して悪いこともしてないしね。


「で、有益な情報って!!」
「それはだなぁ」
「それは?」
「……」

腕を組んで目を閉じ黙りこむ花巻。

「もったいぶらないで、言ってよ」
「わかったよ、えっとなー実は___」
「新作のシュークリームがでたから一緒に食べたかっただけだってよ」


わざと被せるように松川が花巻の言葉を遮った。花巻は目を軽く見開いて松川を見ていた。それを聞いたも驚いて目を見開く。

「なんだ、そんなことだったのかー」

彼女は「期待して損した!」っと大声で言った。しかし、頬はほんのり赤く染まり口角も少し釣り上がっている。本人は隠しているつもりだがとても嬉しそうだ。
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