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【ハイキュー短編集】俺達はまだ若い

第1章 【澤村大地】笑顔


今日はIH予選3回戦目
負ければ私達3年は自動的に引退となる


しかし、私は大会に行けなかった
実は徹夜で、夜ふかしばかりしたせいか風邪を引いた。
大した事ないから試合に一緒に付いていくと言ったが大地に止められ見に行くことが出来ない。事実、頭痛が酷くは立つのがやっと。


日が落ち空がオレンジ色に染まる頃、
カーテンの隙間から淡い光が差し込んでいて
気持ちを和ませてくれる

そんな中一本の電話が入っる
発信者を見れると、大地からだった
早く結果が知りたかった私は急いで通話ボタンを押した




「青葉城西に負けた」




電話出て始めて聞いたのはこの一言。
液晶画面の向こうからは鼻を啜る音やしゃっくり混じりで、彼らしくない泣き声。


負けたのか、烏野は。私達は引退か….....
考えるだけで目尻が熱くなり、水が込み上げてくる。視界も歪む。今にでも涙が溢れ出しそう。


あんなに。あんなに皆、頑張ってたのにどうして負けたんだろ。練習不足?そんな筈あるわけない。じゃあ、上には上がいるって事なの?どんなに練習してももうダメってこと........?

思考の悪循環はとめどなく続く。涙も次々と溢れ出してくる。そんな自分が嫌で嫌で唇をぐっと噛みしめた。


泣いたって意味無いじゃん。勝てるわけでもないのに。私、皆になにもして挙げられなかった。
自分の役立たず…......。
我慢の限界だった。抑えが効かなくなり溜め込んできたものが弾け、想いも自然と吐き出てくる。



「私は、私はチームのマネージャーなのに風邪なんか引いてみんなに迷惑かけて、一体何がしたいの?無理してでも応援くらい行けばよかったじゃない!私はチームの役にたってた?たってるわけないじゃない。
何も出来ないなんて........マネージャー失格よ」

「違う!」
「へ….......?」
「お前はいつも俺達を支えてくれただろうが!」
「........うそ......」



ドアの向こうからは聴き覚えがある声がした。
それは、ここには居る筈のない彼の声。
風邪を引いてた事なんて忘れ、ベッドを飛び出すと、ふらつく足で彼の元へと急いで向かう





ドアをあければ今一番会いたかった人。
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