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白黒世界

第2章 僕と多重人格少女


後ろから望月がスラスラと自己紹介をするのが聞こえる。

望月…本当に僕の無いもの持ってるなぁ

モヤっと霧のようなものが心にかかる。

全員の自己紹介が終わり、1限目もここで終わった。

僕は溜息を付いていると、後ろから可笑しそうに笑う望月が歩いて来た。

「お前最高だな〜普通あっこで噛むことないぞw」

「失礼だな!僕だって好きで噛んだ訳じゃないんだぞ」

ふてくされる僕に「わりぃわりぃ」となだめるように謝る望月に、女子二人が近寄ってきた。

「望月、今日カラオケ行くけど行くぅ?」

「お、行く行く」

「駅前のカラオケだから好きな時間に来てね!」

「おうっあ…」

返事をした望月は僕を見て移動しようとした女子二人を呼び止める。

「こいつも一緒行っていいか?」

そう言って望月は僕を指さした。

…え?

女子二人は顔を見合わせ、笑顔で頷いた。

「うんいいよぉ!さっきの自己紹介、まじウケたし面白そぉ〜」

「うんうんっ仲良くなろうね!」

え…

僕は笑顔で迎えてくれている女子二人を見て固まる。

そんな僕に望月は「ほらっ」と背中をたたく。

我に返った僕は焦りながら頷いた。

「よろしくっ」

「よろしく、じゃねぇ〜」

手を振り離れていく二人の背中を見送り、僕は望月の目を見てあせった。

「どうしよう!僕、女友達出来ちゃった!」

「なーに驚いてんだよ。当たり前だろ?」

当たり前、なのかな?

いつも同性友達とゲームの話で盛り上がっていただけの僕には当たり前じゃなかった。

クラスでも目立たなかったし、こうゆうのは経験が無い。

まさか、僕。

経験値上がりまくり!?

人としての交流度のレベル結構上がってる!?

そこで僕はハッと気付いた。

そうか。

そうだ。

この世界を、ゲームみたいに感じればいいんだ。

勉強もただの『勉強』じゃないように考えればいいんだ。

勉強をすればする程経験値が上がり、レベルアップする。

そうすれば、いざその能力を使うとき、きっと役に立つはず!(テストとか!)

テストもただの『テスト』じゃなくて自分のレベルを上げるためだと思えばいい。

これを恋愛、人間関係も同じように考えれば…

すごい!

僕の想像力、否、妄想力やばい!

これなら、人生変えれる!
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