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High School

第6章 オマケページ健篇 卵焼き


三宅健。17歳。
好きな食べ物、卵焼き。

おれのお昼はいつも購買で買ったパン。当然育ち盛りのおれにはこんなんじゃ足らない。
だからいつも女子のお弁当に入っているおかずをちょっとずつ拝借して教室をまわる。卵焼きを中心に。

卵焼きはその家によって味も色も形も違う。家庭の数だけ種類がある。
おれは甘くて半熟のやつが好きだ。

実はこのクラスの中でおれの理想の卵焼きを作る女子がいる。
ももちの卵焼き。
味、色、形、全て完璧だ。

でもももちは最近ガードが固くてなかなか卵焼きを奪うチャンスがない。
「ちょっと!毎日毎日いい加減にしてよ!」
「2個あるんだからいいじゃん!」
こんなやり取りが毎日続く。
終いには机をおれから一番離したとこで食べるももち。負けじと黄色く輝く甘いあのコを狙うおれ。

でも夏休みが明けてから、ももちはおれらと一緒に弁当を食べなくなった。
おれに卵焼き取られるのがイヤだったのかとか考えた。

そして久々にももちが教室で弁当を食べることになった日。
久々でおれが卵焼きを奪うことを忘れていたんだろうか。油断した隙に愛しかった黄色く輝く甘いあのコをゲット!
久々の理想の彼女を口に運んだ。
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