第2章 Class2.memoly
夏休みが明けてから、俺は毎日ももちゃんと屋上の端っこの目立たないところで彼女の手作り弁当を食べる。
「今日も卵焼きはセンパイの大スキな甘辛です♪」
「いつもありがとね。大変でしょ?お父さんの分も作ってるし。」
「2つも3つもそんな変わらないですから、心配しないでください!」
今日も彼女の笑顔と愛という名のスパイスで、弁当が格別に旨い。
「今日生徒会の仕事ないんだけど、一緒に帰れる?」
「ごめんなさい。あたし今日坂本先生に居残りしろって言われてて。」
「そっか。」
「もうヤんなる!坂本先生厳しいんだもん!」
「でもいい先生じゃん。数学苦手なら今度教えてあげようか?」
「ホントですか?」
「うん。数学ぐらいしか得意じゃないけど。」
「是非!」
「じゃあ今度うちで勉強会ね。」
―うち?センパイは確か一人暮らし…―
変な意味で言ったんじゃないのに彼女が戸惑っているから話題を変えた。
「弁当旨かった!そろそろ寒くなるから明日から生徒会室で食べようか?」
「生徒会室で食べていいんですか?」
「昼休みは誰も来ないし、俺ならすぐ鍵借りられるから大丈夫だよ。」
「はい!」
彼女が笑顔になって、今日も短い彼女との昼休みが終わる。