第1章 【結婚して下さい!】
秋晴れが続く木の葉隠れの里、ここは上忍の集う待機場所。
「…なんだ、この巻物の量は」
扉を引いた途端、足を踏み入れるより先に流れ出た巻物を渋い顔で見下ろすのは木の葉の蒼き猛獣ことマイト•ガイ。
「行楽シーズンで何かとイベントが多いからね」
「我々にとっては雑用シーズン到来だな」
「とにかく、分担するの手伝ってヨ」
紅の産休で只でさえ数の少ない上忍の頭数は更に減り、カカシはぶつぶつ良いながら任務依頼をジャンル別に仕分けしていく。
「リー班には、テンテン班と一緒に運動会の進行を任せるか」
「松茸掘りには、ネジ班にヒナタを組ませて行かせますか?」
「そんな事したら日向家からクレームくるよ。白眼の無駄使いをするなって」
「その任務はキバ班に任せましょう」
待機所にいる上忍達が手分けして巻物の山を崩していく。
ふと、ガイの視界の端にどぎついピンク色した巻物が妙な存在感を主張して映り込んできた。