第4章 ミルクティの憂鬱
「で、次は?」
珈琲を飲みながらも煙草を吸うジン。
少し面倒そうに話す、その姿はだんだんと見慣れてきた。
砂糖いっぱいのミルクティは慣れないけれど。
最初の喫茶店でこそ、違和感がいっぱいだった。
しかし今目の前にいるのは芹沢ユウトではなくジン、そして私は柊木アヤノではなくレイ。
爪の装飾も、この少し短めのスカートも、ヒールの高い靴も、甘ったるい話し方も、全て私だ。
「じんくんと一緒に映画、見たいな」
「映画?」
「うん、映画」
「映画か」
「そう、じんくん好きでしょ?」
「え?」
「じんくんは、映画好きだよねって」
「ん」
「私はじんくんと映画見るの好き」
「知ってる」
「あとは、ケーキも好き」
「何が?」
「ケーキが好きなの」
「ああ。知ってる」
「あとはねー...」
ジンはスマホを弄りながら私と話をしている。
適当な相槌を打ちながらも、たまに私の聞いていなくて聞き返してくる。
聞き返してくるってことは一応は聞いてるってことなんだと思う。
聞き流してない、ってこと。