第10章 関係のカタチ
シャワーから戻って来ると、彼女がベッドヘッドにもたれて携帯をいじってた。
(友達に?)
それとも、ダンナかな。
髪がふぁさっと頬にかかって、邪魔だったのか耳にかけるしぐさをする。
その横顔はあまり見たことがない顔で、ひかりのを日常を一瞬垣間見た気がした。
あの日、目的は達成出来たから、別にもう逢わなくてもいいんだけど。
恋人でもないのにズルズル逢ってるのは何でだろうな?と考えてみる。
思いのほかカラダの相性がいいから。
会いたい時にだけ会えばいいから。
ごく一般の人で、ある意味気楽だから。
ひかりもバレないようにかなり気を遣ってるだろうから。
あとは。
見た目が結構好みのタイプだから。
そんなとこだろうか。
カラダの相性がいいって、こういうこと言うんだな、と。
ピタッとくるっていうか。
いろんな意味で隙間がないというか。
20代の頃だったらヤバかったなー。溺れたかも。
その頃でなくてよかったわ(笑)
今はもう、溺れたりしないけどさ。
既婚者の、ひかりがオレと逢うのは、、ひかりの中ではかなりのトップシークレットだと思う。
だから、きっと細心の注意を払ってる。
バレたら、もしかするとオレ以上に困るんじゃね?
ってことは、後はオレがちゃんと気を付けてれば、どっかにバレる可能性は少ないってことで。
一緒に出歩いたりするワケじゃないから、ほとんど問題ないじゃん。
そういうことで、止めなきゃいけない理由もないから、こんな関係を続けてる。