第3章 告白
「はあ…。」
球技大会から2週間、あたしと影山はろくに話せていない。
あのキス意味は何だったんだろう。その答えが判明していないから余計に話しかけづらい。
それに、避けられてる気がするし…。
あーもう、考えるのやめっ!
「おい!」
「へ?」
もしかしてこの声…
「かげや…「前見ろ馬鹿!」」
『ガンっ』
「いったぁっ!」
遅かった。考え事をしながら歩いていたあたしは、思いっきり電柱に頭をぶつけてしまった。
「言わんこっちゃねえ。だから前見ろって言っただろ!」
そんなに怒らなくたっていいじゃん!ちょっとくらい、気遣ってくれても…。
腹が立ったあたしはまだ涙を浮かべた眼で、キッと睨んでやった。
「朝から誘うなって…。」
「え?何か言った?」
「別に。」
「ボソッと何か言ったじゃん!ねえ、気になる。」
「聞かなくていい事だから。」
「もう。」
不意に影山の手が伸びてくる。驚きながらも、あたしはその手を受け入れた。影山の手がまだ痛む額に触れる。
一瞬ドキッと心臓が鳴いた。それからドクドクと…。
「大丈夫か?」
心配そうな視線が注がれる。少しの間呼吸を忘れてしまった。
「聞いてるのかおい。」
ペチっとでこを小突かれ、激痛が走る。
「イタっ…、もう!何すんのよ!」
ちょっといい人だと思ったら。すぐこれなんだから…。