第3章 告白
「ずっと、隠しててごめんね。
あたしが…
黒蝶なんだ。」
「…。」
「中学時代に影山飛雄という人間を見て、あたしもこんなふうに、ボールを操れたらって…上手くなれたらって…
そう思って影山の背中を追いかけて追いかけて…でも、届かなくて…。
風の噂で影山が烏野に行くっていう噂を聞いて、また、追いかけて来て…。
ごめんね。びっくりしたでしょ?こんなストーカーみたいな…っ」
すると突然、影山の大きな手が伸びてきて、そっとあたしの頬に触れた…と同時に、鼓動が激しく打ちつける。何故こんなにも、影山を前にすると動機が起こるのだろう?
「悪い。泣かせるつもりはなかった。」
影山が罰悪そうに、あたしの頬についた涙を拭ってくれる。
影山に言われて初めて、自分が泣いている事に気が付いたのだった。
涙を拭ってくれる影山の手が、あまりにも優しくあたしは更に泣いてしまった…
「お前はホント、俺の調子を狂わせてくれるよな。」
「へっ?っ!…んっ…」
突如として影山の方へ体が引き寄せられ、唇に柔らかい感触が…。キス?!キスされてる?!そう思った瞬間、あたしの頭は真っ白になった…
「はぁ…ふっ…ちょっ…んんっ…」
散々貪られて、やっと解放してくれた。が、あたしは呼吸もままらなくなって、肩で息をしていた。
涙を含んだ眼で影山を見つめれば…
「っ…頼むから、これ以上俺を煽るな。」
そういうと抱き締められ、抵抗できないように両手で顔を包まれて、再びキスが降ってきた。
今度はオトナのそれだった。舌は彼自身のようにあたしのを支配し、脳さえも痺れさせた…
「…んっ、やっ…んン……」
考える暇など与えない。そう言われているようだった。
キスは次第に激しさを増し、酸素が欲しくて顔を背けようとしても、執拗に彼が追ってくる。
もう駄目だ…
そう思った瞬間、唇は離れていった。
あたしは膝が笑って、影山に支えてもらってギリギリ立っていられる状態だった。