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〜蒼い青い片想い〜

第15章 -青色の彼の嫉妬とキス-


ノックをしたのに、部屋にいるはずの
大ちゃんから返事がない。


「大ちゃん?入るよー?」


ゆっくりドアを開けて、
大ちゃんの部屋を覗き込むと、
大ちゃんはベッドに寝転がっていた。


「大ちゃん‼︎
いるなら、返事くらいしてよーう。」


使っているとは思えない
大ちゃんの机にさくらんぼを置いて、
大ちゃんの枕元に行くと、
大ちゃんはゆっくり起き上がって、
ジッとわたしを見ていた。


「何しに来たんだよ?」


「え…っと…さくらんぼの…配達?」


大ちゃんの鋭い視線に
思わずシドロモドロになってしまう。


「マジバのシェイク…まだ飲むのかよ?」


「え…?大ちゃ…」



グイッ…



「きゃっ…」


突然、大ちゃんに腕を引かれ、
気がついたら、
ベッドに座っている
大ちゃんの腕の中にいた。


「大ちゃん?ど…したの?」


「すみれ…」


大ちゃんはわたしのコトをギュッとして
はなしてくれない。


何か…気持ちを伝えるみたいに
大ちゃんは力を緩めない。


「大ちゃん?…どしたの?」


もう一回聞いてみるけど、
やっぱり大ちゃんは返事をしてくれないし、
わたしを抱き締める力を緩めてくれない。


「だーいちゃん?
ほんとにお子ちゃまになっちゃった?」


さっきおばさんが言っていたことを
わざと茶化すように言いながら、
大ちゃんの頭をヨシヨシと撫でた。


「…っ⁈ババアの言うコト
真に受けてんじゃねーよ。」



やっと大ちゃんが喋ってくれた…。



「”ババア”なんて言わないのー。
悪いコだなぁ。」


てゆぅか、おばさんと話してたの、
大ちゃん、聞いてたんだな?


だから、マジバのシェイクも…


あれ…?


「はぁ…ガキ扱いしてんじゃねーよ。」


「だって大ちゃんがお子ちゃまなんだもん。」


「うっせぇぞ。バカすーーー。」


「バカって言うほうがバカなんだよー⁈」


わたしが言い返すと大ちゃんは
笑いながらベッドから立ち上がって、
さくらんぼを口に入れながら、
わたしの頭を撫でてくれた。


「ねぇ…大ちゃん?」


「あん?」


「勝った…ね。」


「……。」


大ちゃんが黙ってしまったので、
わたしも黙ってしまう。





でも、 沈黙を破ったのは、大ちゃんだった。


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