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〜蒼い青い片想い〜

第15章 -青色の彼の嫉妬とキス-


「ありがとうございました‼︎」


近いから大丈夫だと言ったのに、
虹村先輩はわたしを家まで送ってくれた。


やっぱり優しいなぁ。


「近いんだし、気にすんな。」


そう言って虹村先輩は、
わたしの頭をポンとしてくれる。


「…っ⁈」


思わずビックリして虹村先輩を見上げると、
虹村先輩はフッと
余裕のある笑みを浮かべていた。


「なんだ?」


「えっ⁈あ…別に…っ‼︎」


「ははっ…ちょっとは意識したか?」


「え…⁈…………?」


虹村先輩のことばの意味がわからず、
そのまま虹村先輩を見つめ返してしまう。


「やっぱすみれは変わんねぇな。」


虹村先輩はまた苦笑いしていた。


「…ごめんなさい。」


今日だけで、”すみれは変わらない”って、
何回言われたんだろう?


わたし、何かしちゃったのかな。
それとも、あまりにも成長してなくて、
虹村先輩、幻滅してる…?


「だから、謝んなって。」


「うわっ…きゃあっ…」


虹村先輩が急にわたしの頭を
グシャグシャして撫でてきた。


「も〜う‼︎グシャグシャ〜‼︎」


「ははっ(笑)
なんか悩んだらちゃんと連絡してこいよ?
相談くらい乗るからな?」


「…?はい。」


今まで悩みの話なんかしてなかったのに、
なんで急にそんなこと…?


「オレにとっては、
青峰も黒子も大事な後輩だけど…」


虹村先輩はそこでいったんことばを止めると、
さっきよりも真剣な表情でわたしを見つめた。


「青峰が勝ってよかったのか悪かったのか…
オレにはわかんねぇや。」


「…っ⁉︎」


「ま、勝ったら次いけんだから、
勝つほうがいいんだけどな。」


虹村先輩の表情はフッと柔らかくなり、
笑っていた。


「帝光は”百戦百勝”…だったからな…」


わたしは何も言えなかった。


虹村先輩、やっぱり…
虹村先輩が卒業してからの、
皆のこと知ってるんだ…。


「じゃあな。」


「あ‼︎あの‼︎」


「なんだ?」


「えっと…気をつけて帰ってくださいね。」


「おう。」


大ちゃんたちのことを
聞こうかなと思ったけど、
やっぱり聞けなかった。


虹村先輩は、軽く手を振り、
そのまま帰っていった。

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