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〜蒼い青い片想い〜

第12章 -インターバル事件簿-


あ…そういえば、虹村先輩たち…
ドコだろう…


なんとなくさっきと景色が違う。


大ちゃんと別れて、
一番近い入り口から
観客席に来ちゃったから、
どこにいるのか
わからなくなっちゃった。


わたしは目を凝らして、
虹村先輩たちを探した。


「あれ?チビ桃っち〜?」


「すみれ?」


遠くの観客席を見ていた目を、
くるりと声のするほうに向ける。


「きーちゃん⁈緑間先輩⁈」


意外なようなそうでもないような…
そんな2人が目の前にいた。


「チビ桃っちも来てたんスね♪」


「あ…うん。…あれ?
緑間先輩はなんできーちゃんと?」


「い、いや…それは…」


「わたし、ほんとは別の席で
高尾さんとか秀徳の方たちと観てて…」


「な…っ⁈」


「緑間先輩、たしか来ないって…」


って、高尾さんが言ってたような…


「緑間っち、たまにはオレと
観たかったんスよね〜♪」


「ち…違うのだ…」


グイッ…


「(いいから、いいから♪じゃないと、
先輩たちにバレるっスよ?)」


「( …っ⁈)」


…??


突然、きーちゃんが緑間先輩の腕を引き、何か耳打ちをしていた。


ど…どしたんだろ?


「ま、いーじゃないっスか♪
せっかくだから、チビ桃っちも
オレたちと一緒に観ないっスか?」


「あ…でも、席に戻るって、
虹村先輩と約束したから…」


「え⁈虹村先輩、来てるんスか⁈」


きーちゃんは
虹村先輩がいると聞いても、
そのことには
まったく驚いていなかった。


秀徳の試合…観て知ってたのかな…


「うん。きーちゃんたちも行く?」


「い…いや…」


緑間先輩がものすごい慌てていた。


「ま、オレたちは、
ココで観てるっスよ。
虹村先輩によろしくっス!」


「うん!」


「あ!すみれっち‼︎」


きーちゃんが”すみれっち”と
呼んだので、わたしは思わず
ビクッとしてしまう。


「なぁに?」


「この試合…」


きーちゃんのマジメな声のトーン…
緑間先輩もわたしを見つめている。


「すみれっちは
どっちを応援してるんスか?」


そんなの決まってる…
なんでそんなコト聞くの?


「もちろん大ちゃんだよ。」


わたしは2人をジッと見つめ、
満面の笑顔でこたえた。

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