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〜蒼い青い片想い〜

第5章 -影の先輩と新しい光の彼-


そして、万を辞してのきーちゃんの登場。でも、わたしはきーちゃんでも黒子先輩でもなく、火神さんに目がいってしまう。


あの人は…




黒子先輩の新しい光だ。



プレイを見た瞬間、そう思った。



大ちゃんとそっくりなような…
でもまったく違うような気もする。


きーちゃんが笠松さんにどつかれて、ダンクをお返ししたのを合図かのように、第1Qはハイペースでの点取り合戦だった。


そして、第2Q。


黒子先輩がきーちゃんをマークしていたが、きーちゃんの腕が黒子先輩の顔に当たって負傷してしまった。


誠凛は絶体絶命のピンチだと、
誰もが思っていたと思う。


わたしも…
この試合は海常の勝ちだと思った。


でも…


ブザービーター。


火神さんのダンクが決まった。



100-98。




誠凛が勝った。


きーちゃんが泣いていた。



ブーッブーッ…



きーちゃんに声を掛けるか
迷っていたけど、
スマホが鳴ったので、
とりあえず体育館を出た。


「すみれ〜?ドコにいるの?
わたし、終わったよ〜!」


相談会に行っていたゆりからだった。


「ごめん!先輩に会っちゃって、
体育館でバスケの試合観てたの。」


「えっ⁈先輩ってキセリョ⁈」


「う…うん。」


ゆりはきーちゃんのファンで、
去年、偶然わたしといる時に
きーちゃんに会ったコトがあった。


あの時のきーちゃんの営業スマイルを、
わたしは忘れないだろう。


ゆりはきーちゃんが海常にいるコトで、
ますます海常に行きたいと、
強く思うようになったらしい。


「いーなー!わたしも会いたいけど、
そろそろ帰らないと…。
今日塾の英語の強化授業、
取っちゃったんだー。」


「わたし、それ取らなかったー。」


「じゃ、すみれはゆっくりしていきなよ。わたし、先に帰るね。」



ゆりと別で帰るコトになったけど、
体育館に戻ってきーちゃんに会うの…
ちょっとだけ気まずいな…。


さっきのきーちゃんの涙を思い出す。


「あれ…?すみれさん…?」


「え…⁈」


突然名前を呼ばれて振り向くと、
そこには包帯を巻いた黒子さんがいた。


新しい光の…火神さんに支えられて…。



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