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〜蒼い青い片想い〜

第5章 -影の先輩と新しい光の彼-


海常の広い体育館では、
片面ずつで練習が行われていた。


「試合はハーフコートでやってもらう。」


これからネット外すのかなと
思っていたけど、高校生の試合を
まさかハーフコートで
見るとは思わなかった。


お腹の大きな海常の監督のことばで、
誠凛の人たちの殺気がすごい。


てゆぅか、普通に失礼だということに
この監督は気付いていないのだろうか?


結局、試合はやっぱりきーちゃん抜きで、本当にハーフコートで始まった。


そして…やっぱりというか…
ココにいるみんな…
わたしときーちゃん以外が
コートに入った黒子先輩を見て
唖然とし、舐めきっていた。


「(こいつが黄瀬が言ってた黒子…?
すみれって奴も…目を輝かせて、
”見たい”と言うほどか?)」


あの笠松さんでさえも…
一瞬目を見開いて
驚いていたのがわかった。


「は〜オレも出たいっス〜!」


案の定、きーちゃんは、
わたしの隣に座り、
ぷーっとスネながら、試合を観ている。


そんな中、わたしは、
試合が始まってから、
ある人から目が離せないでいた。


「気になるっスか?」


「え?」


「誠凛の10番。
チビ桃っち、さっきからずっと
目で追ってるっしょ?」


「そ…そんなこと…」


「オレの目ごまかせると思ってるんスか?すみれっち♪」


「…っ⁉︎」


はぁ…。きーちゃんにはかなわない。
きーちゃんはいつもわたしのことを
”チビ桃っち”と呼ぶくせに、
急にマジメになったり、
確信をついた発言をするとき…
わたしのことを”すみれっち”と呼ぶ。


「あの人…黒子先輩の…」


「火神大我。1年。
そう。黒子っちの新しい”光”っス。」



ガラガラガッシャーーーン



え…?な…なに…⁈



きーちゃんと話してはいたが、
お互い目は試合を見ていた。


だから、何が起こったのか見えている。


黒子先輩が笠松さんの
ドリブルをカットして、そこから…
10番の…火神さんにパスしてダンク…



だけど…だけど…


ダンクしてリング壊れるとか…


「ははっ…やるなぁ…」


わたしの横できーちゃんは笑っていた。
なんて神経だ…。


火神さんがリングを壊してしまったので、結局試合はオールコートですることになった。

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