第2章 【遭】-であい-
「ネウロ」
呟かれた言葉は静かな空気に混じれて消えた。
「やっと私も地上へ行けるのね きちんとした入れ物(身体)も手に入れたわ…」
淋しげに揺れるナツキの美しい尾にかかる黒の入り混じった赤。
思い出す。彼と別れる時に言った言葉を。
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『ナツキ、我輩は究極の謎を食しに地上へ行くぞ』
『ネウロ…本当に行ってしまうの?』
『あぁ…ここに我輩の食すものはもう何もない』
『私も着いて行ってはだめ?』
『ナツキの弱った身体では… まだ無理だろう。』
『どうして?』
『地上は瘴気が薄いのだ。今のナツキの身体では直ぐに粉になってしまうぞ』
『っ…』
『---少しの辛抱だ。また帰って来る。必ずな』
『ネウロ…!』
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「貴方のいない世界で暮らせるわけがないの…」
貴方はどうなのかしら
早く会って抱きしめたい
抱きしめて欲しい
「確かこっちだったはず…?」
あやふやな道構成の魔界。
怪しい笑みが絶えない魔界。
その中心の大きく削り取られた岩山の上----
『私も行くわ、今。』
貴方の元へ