• テキストサイズ

許嫁とその一行 【魔人探偵脳噛ネウロ】

第2章 【遭】-であい-


「ネウロ」



呟かれた言葉は静かな空気に混じれて消えた。



「やっと私も地上へ行けるのね きちんとした入れ物(身体)も手に入れたわ…」
淋しげに揺れるナツキの美しい尾にかかる黒の入り混じった赤。

思い出す。彼と別れる時に言った言葉を。

-------

『ナツキ、我輩は究極の謎を食しに地上へ行くぞ』

『ネウロ…本当に行ってしまうの?』

『あぁ…ここに我輩の食すものはもう何もない』

『私も着いて行ってはだめ?』

『ナツキの弱った身体では… まだ無理だろう。』

『どうして?』

『地上は瘴気が薄いのだ。今のナツキの身体では直ぐに粉になってしまうぞ』

『っ…』

『---少しの辛抱だ。また帰って来る。必ずな』

『ネウロ…!』
--------


「貴方のいない世界で暮らせるわけがないの…」

貴方はどうなのかしら

早く会って抱きしめたい

抱きしめて欲しい



「確かこっちだったはず…?」

あやふやな道構成の魔界。

怪しい笑みが絶えない魔界。

その中心の大きく削り取られた岩山の上----



『私も行くわ、今。』


貴方の元へ
/ 13ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp