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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第8章 【沈丁花讃歌】


数刻後──


「……っは、あ」


天国の自宅に帰った白澤は
抑えきれぬ鬱憤を晴らす為に、

独り自慰に没頭していた。


(嫌!白澤様ァ……ッ)


耳に付いて離れぬのは
紗英の泣き崩れる声。

白澤は彼女の手にそうしたように、

脳内を何度も駆け巡る
紗英の泣き顔を振り払った。


「ん、あっ……出……るっ」


知らない
知らない
僕は知らない

恋なんて
愛なんて

そんな不確かで恐ろしい物
僕は──……!


「紗英……っ」


外界に吐き出された男の本音は
薄い紙に虚しい染みを作り、

その運命を終えるのであった。





【八ノ章】
沈丁花讃歌___終
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