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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第3章 鬼神、襲来


地獄の業火が
ゆらり、揺れる。

「また来てくださいね」

妓楼の扉を開くと
吹き荒れる熱い風。

紗英は滲みそうになる汗を
グッと堪えて笑みを作った。

「帰ったらメールするよ」

軽いキスと共に去っていく白澤。

身体中に染みついた
想い人の香りに
溜息を漏らして、

そっと涙をひとつ。

(せめてその姿が見えなくなるまで)

紗英は悲しげな顔で
白澤の背中を見つめていた。
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