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薄桜鬼 群青桜

第19章 【外伝】千月


十鬼夜家。

その一族は戦国時代に存在した主な鬼達「十鬼衆」の夜。
鬼に害をもたらすと定められた人間を殺めていく裏の一族。
鬼達の中でも、この一族の存在を知る者は少ない。

十鬼夜家のお陰で鬼達は平穏に暮らせていると言っても過言じゃない。
それぐらい大切な役割を担っていたんだ。

俺も久摘葉もその一族の生まれ。

俺と久摘葉が「十鬼夜」だと、本来の姓を名乗らなかったのは「鬼は信頼する者にのみ姓を明かす」という古きしきたりに則っての事だった。
このしきたりも、戦国の世以降消え失せたって聞いたけど、鬼の復興を願って、誇りを忘れない為に適用されたんだと。

こんなの、あってもなくても同じな気がするけど、俺たちは絶対に逆らえない奴の元にいる。
それを忘れる事は今も出来ないし、これからも変わらないんだ。
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