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道化師恐怖症。

第10章 白薔薇はペンキ 赤薔薇は血で



あれから柳くんの意識に
私は多少植えつけられた事はず

柳くんは優しく見えて冷たいから

どうでもいい女子に
力を貸すなんて無駄はしない


あ、しまった
柳くんに西崎さんをどう思ってるか
それとなく探りを入れる
つもりだったのに

すっかり忘れていた

しまったなぁ 馬鹿な事した

一番聞きたかった事なのに


ま、いいか
今日は待ちに待った服装検査

私は真面目だから
服装検査があろうが無かろうが
何も問題はない

目当ては柳生くんだけ


おぉいたいた
メガネのかっこいい紳士様が

でも周りの女子が
ハートを飛ばしまくってて
近づけない

仕方ない
また自然に視界に入るか

それで彼が何もアクションを
起こさなければそれでおしまい

何も気にもとめてもらえない
これからもずっと


彼の顔を見ないように
それでもギリギリのところを
しっかりと歩く

ザッと何か踏み出すような
音がした


「おはようございます」

「え?あ、おはよう」


ご自慢の眼鏡をグイッと上げながら
彼は私に話しかけてきた

やったね


「…もしかして私
何かおかしいとこあるかな!?」

「いえいえ。
キチンとした格好で
素晴らしいと思います」


当たり前

スカートはかなり下げてるし
ネクタイもボタンも真面目にしてる

ここまでちゃんとしてる子が
他にいるかって話ですよ


「じゃあどうかした?」

「貴女は…如月さんですよね?」

「うん。そうだよ」

「…この度は、元マネージャーが
失礼な事をしてしまって
申し訳ありませんでした」


失礼なこと?

そんな事で片付けれるものじゃ
ないでしょう

あれ程の暴力が


そうか
彼等がそれ以上の暴力を
金坂さんに加えていたから

失礼な事で済まされるのか


「ちょ、柳生くん!
こんなとこでやめてよ」

「…すみません。
私としたことが
気がききませんでしたね。
後で…よろしいですか?」

「いいけど…」

「ではSHR後に」


テニス部の紳士様から
呼び出しを頂きました

向こうから関わってきてくれて
ありがたいことこの上ない

さてと、お話しようか







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