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道化師恐怖症。

第8章 変化って奴は気まぐれさ




その日から金坂さんに対する制裁は
どんどんヒートアップしていった

暴力、暴言は同級生だけでなく
下級生からも受けている

話したことなんて無い人から
平気で振り下ろされる拳

きっと毎日が恐怖と憤りで
ギリギリを保っている事だろう


何故そうまでして
学校に来ようとするのか

何が金坂さんをそこまで
振るい立たせているのか

…金坂さんは何を得たいのか

全然分からないや

これから分かるかなぁ
いや、きっと分かる


とにかく金坂さんは
これでお終い

不登校とかになるのも
時間の問題

何とも呆気ない

もっと頭がイイかと思ったが
すぐに私に手をあげたところ
馬鹿は馬鹿だった


残念だよ金坂さん
君はあまり、面白くなかった


つまらない気持ちで
授業を受ける

いつも以上に右から左に
先生の声が流れていく

金坂さんはもっと何か
仕掛けてくれないだろうか

復讐…みたいな?
西崎さんに?

そんな度胸は無いでしょうね

それに金坂さんにも
責められるべき点はあるから
例え復讐しても…意味なし

どうすることやら




授業が終わり10分休み

みぃちゃんには何も言わず
お手洗いに足を運んだ

別にトイレにまで一緒に
行く必要はないよね?

こういう時は一人じゃないとなんか
落ち着かないし



最近、私はついている 確証
何がって運だよ、運

トイレには見知った顔

なんとなんと金坂さん


金坂さんは私を見るなり
恐ろしい表情で睨んできた

え、私何もしてなくね
切原くんが勝手に来ただけで


それでも何されるか分かったもんじゃ
ないので、とりあえず怯えるように
肩をビクつかせる

それが余計気に食わなかったのか
金坂さんは私の胸ぐら辺りを
グイッと引っ張った

ちょっと息苦しいんですけど


「アンタのせいで…!!」

「わ、私なにもしてない…」

「ふっざけんな!!
アンタのせいで、また皆から
殴られたじゃない!!
どうしてくれんの!?」

「そんなこと、言ったって…!」

「アンタみたいな地味ブスが
虐められればいいのに!!」


なんで私なの!?

彼女はそう言いたいんだろう

逆に聞こうか


君以外でそうなりえる人が
今、存在するのかい?


熱くなった彼女は
私の冷ややかな目に気づかない

哀れだ







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