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道化師恐怖症。

第6章 甘い紅茶にアルコールを一滴




教室では異様な光景が広がっていた

何時もは西崎さんの周りは
丸井くんと仁王くん
または違うクラスのレギュラー
主に幸村くんぐらいしかいない

クラスの男子たちも
西崎さんはレギュラーにしか
気がないこと気付き
近づこうとしない

女子は…ね
言わずもがなですよ


な、ハズなのに
今日は不思議

西崎さんを囲うように
男子も女子も騒いでる

聞き耳をたてなくても
聞こえる大きな声


「西崎さん可哀想ぉ」

「金坂さん最低だよねー」

「俺らは西崎さんの
味方だからな!」


なるほど、昨日あったという
事件の所為と言うわけか

女子なんて
ざまぁみろぐらいにしか
思っていないだろ

でもレギュラーの敵にならない
為には味方のフリをした方が
いいもんね


「凄いねぇ」

「完全にアイツが悪いじゃない。
可哀想なんて思わないわ」


みぃちゃんを含める
数人の女子は遠巻きに見ている

レギュラーは好きだけど
あの女に近づくのは嫌と

流石

そういう所をあやふやにしない
みぃちゃん好きだよ


私?勿論近づきますよ

せっかく下の名前で呼ばれる
ようになったんだから

だけど確かに
近寄り難いことはある

だから、西崎さんの
視界にでも自然に入っておく

話しかけてくるかどうかは
半々だけど


「あ、蒼!」

「ん?おはよう西崎さん」


お、やっと気づいたらしい

名前呼びであることに
皆ギョッとしたようだ


「蒼…!」

「え!?」


今の叫びは地です

だって西崎さん
急に抱きついてくるんだもん

怖い怖い

スキンシップ早い女子怖い


ここで怯えてはいけないので
必死に冷静を取り繕う

どうしたの!?なんて
言いながら背中をポンポンッと
撫でたりなんかして


「や、やっぱり
無理だったよぉ…」

「…金坂さん?」


西崎さんはコクリと頷く

てかこんなの皆に見せて
一体何がしたいんだろう


「何かされたの?」


フルフルと首を振る

全然濡れてる感じしないから
ただの泣き真似だよね


「何か言われた?」


彼女はまた頷いた

喋れよ
口があんだろうが





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