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道化師恐怖症。

第33章 道化師恐怖症。




「また、それ!?
なによ!!エリナの何が
可哀想なのよ!!!!」

「何も気づけない所が可哀想。
そうやって現実逃避してるのが
たまらなく可哀想」

「うるさいうるさい!!!」

「いい加減、気づきなよ。
アナタは学校へ行っても
私に生かされるだけだよ?」


意味がわからない
そんな表情を浮かべるものだから
笑えてくる


「例えば学校で私が
他の誰かに助けを乞えばどうなる?
西崎さんに何かをされたって」

「そ、そんなの嘘じゃない!!」

「そうだよ。でもアナタがやったことと
全く同じことだから。

私がやってもいいよね?」


私の味方は学校の人間、すべて
つまり何百人対一人
それに勝利が見えてるというのか

もう西崎さんに希望はない
あとは堕ちていくだけ


「っ、いや…」

「まだ懲りないのなら
もっともっと叩き潰してあげる。
絶対に情けなんてかけないから。
戦える力があるなら向かってきなよ」


ま、ボロボロになるだけだけどね?


「いやぁぁぁぁあ!!!!!」

「な、どうした!?」


病院内だと言っているのに…

西崎さんの叫び声で
幸村くんたちが病室内に押し寄せた

反射だろう
今まで彼女の声で動いていたんだから


「許可してないんだけど?」

「いや、だけど」

「あぁ…今のが〝悲痛の叫び〟ってやつ。
もう間違えたりしないね。良かったね」


座りこんで頭を抱えてる西崎さんの
目の前にたつ

カタカタと震える彼女に
女王様の威厳はもはや無い


「如月…お前…」


丸井くんが私を指さす

それに答えるように振り返って笑った


「そんな奴だったか…?」

「変わったよ。それは誰のせい?」


そう、これは私のせい

変わったんじゃなくて
代わっていたの

ただ違う顔を被っていただけなんだから


結局、誰も見破れなかった

だからこれは私の勝ち



その後、看護師さんたちがきて
私たちはこっぴどく怒られた




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