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【★ハイキュー!!★】短編集

第96章 【花巻貴大/コラボ企画】kiss with you




「はぁ・・もうこんな時間か・・」

放課後、図書室で勉強をしていた私はスマホの時計を見て教科書を閉じた。
外はすでに暗くなっていて、少し肌寒そうだ。

「お疲れ様でした!」

校舎を出ると、部室棟から数名が出てくる。

「運動部はこんな時間まで練習してるんだ・・」

何度かバレー部の見学に行ったことはあるが、最後までいたことはないので少し驚いた。

「あぁー、腹減った!!」

聞き覚えのある声に反応して顔をあげると、2階から階段を下りてくる花巻先輩の姿が見えた。

「あれ?」

私の存在に気がついた花巻先輩達が私の元へ駆け寄ってきた。

「なになに~?マッキー知り合い?」

「ふふん。ひろかちゃん!俺のファンだって!」

な?と花巻さんが私の肩に手を置いたので、私は及川先輩達に会釈をし、お疲れ様ですと声をかけた。

「ん?なんかいい匂いする」

花巻先輩はそう言い、私の横で鼻をくんくんさせていた。

「あっ。多分、今日の調理実習で作ったお菓子です」

私はカバンを開けてそのお菓子を見せた瞬間、花巻先輩が私の肩をガシっと掴んだ。

「それ、食っていい?」

「えっ・・あっ・・はい。こんなので良ければ・・」

「本当、マッキ―甘い物には目がないよね~」

及川先輩の言葉にうるせーと言いながらも、ニコニコ笑いながら私の差し出したお菓子を受け取って、一度匂いを嗅いだ後に口に含んだ。

「めっちゃうめー。あっ、お返し何がいいか考えといて!」

そう言って花巻先輩は最後の一口を頬張った。



ついこの間まで、遠くから見つめているだけだった。
声をかけることも出来なかったし、もちろん声をかけられることもなかった。
名前を呼んでもらえることも、実習で作ったお菓子を食べてもらえることも。

今、目の前で起こっていることは全て夢なんじゃないかって思うくらい幸せだった。

この時の私は頭が沸騰していたんだと思う。
お菓子のお礼にあんな事をお願いするなんて・・。

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