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【★ハイキュー!!★】短編集

第96章 【花巻貴大/コラボ企画】kiss with you




彼女が去った後、ふと顔を上げるとそこにはまだ花巻先輩がいてこっちを見ていた。

「ん?及川のファンの子?」

「いっ、いえ!私は・・」

「ここボール飛んで来たりで危ねーから、見るなら上あがれよ?」

そう言って、花巻先輩は人差し指を上に向けた後に、体育館の中に戻って行った。

花巻先輩はいつもさり気なく優しくて、こんな私にも気さくに声をかけてくれる。
私は高鳴る胸を押さえながら、その場を後にした。





翌日
私はバレー部の見学に行った。花巻先輩に言われた通り体育館の上へあがると、
及川先輩ファンの子がたくさんいて、私は隅の方でこっそりと見学をした。

「・・ぐっ・・!!」

及川先輩のサーブ。
強烈なサーブで、速くてボールの動きについて行けないほどの威力。
そんなサーブを花巻先輩がレシーブしたが、グンと角度を変えて私の方へ飛んできた。
咄嗟に頭を抱えたがぶつかることはなく、私の近くで何度かバウンドをしながらボールは足元に転がってきた。

「スマン。ぶつからなかったか?」

私がボールを拾って顔を上げると、花巻先輩が私の所に駆け寄ってきていた。

「あれ?昨日の・・」

「あっ、はい」

私は急いでお辞儀をして、ボールを花巻先輩に手渡した。

「やっぱ及川ファンの子?」

「いえ!私は花巻先輩のファンで・・あっ!」

咄嗟に口を手で覆ったが、すでに遅かった。

「ブッハ。マジでか。じゃぁ、いい所見せなきゃな。名前は?」

「佐藤・・佐藤ひろかです!」

「オッケ、覚えた。じゃぁ、またな」

花巻先輩はそう言ってニッと少し意地悪そうな顔で笑い、私に手を振って練習に戻って行った。
花巻先輩のその笑顔に私の心臓は飛び出るほど跳ね上がる。意地悪な笑顔が色っぽく、少し危険な匂いまでしてくる。

「私このまま死んじゃうかも・・」

私は小さくなっていく花巻先輩の背中を見つめながら、大きくため息をついた。






「わぁ。うまく焼けたね!」

「私及川先輩に差し入れしよう!!」

今日は調理実習で、各自ラッピング袋を持参しお目当ての相手へ渡す準備をしていた。

「ひろかは誰かにあげるの?」

「えっ・・いや、あげないかな?」

私は誰に渡すわけでもないお菓子をラッピング袋に詰めた。

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