• テキストサイズ

僕の小説のモデルになってください

第8章 えっと、ごめん


放課後、ちょっとビクビクしながら部室に向かう。

部室の前で、アヤと数人の1年女子がいる。

「荷物取りに来たの? みなみ。私がまとめておいてあげたよ。優しいから」

アヤが私に私のスポーツバッグを投げつける。

周りの女子がクスクス笑う。

「…なんで? わたし、部活休む予定ないよ?」

私はなんとか反論する。

「ちょっと話しようか。あっちで」

アヤが言う。

私たちは体育館裏へ行く。

「昨日のさぁ、ボウリング。あんた先に約束があるから来ないとか言ってたけど、それって川口くんとデートだったんでしょ?」

アヤが私に尋ねる。

「ち…違うよ?」

私は同じ1年の女子とはいえ数人に囲まれて、ちょっとビビりながら返事する。

「嘘ばっかり! あんたは嘘ばっかりだよね。昨日、あんたが川口くんと帰ってたの見た人がいるんだよ」

「たまたま、道で会って…。駅まで一緒に歩いただけだよ。駅で別れたもん…」

「あんたの言うことなんて、何も信用できないよ」

アヤが吐き捨てるように言う。

なんで…。

「私のこと笑ってたんでしょ? 相談するフリして…頑張って…とか言って…。川口くんは自分のこと好きだってわかってたくせに」

それは、2学期の話だもん…。

「ていうか、知らなかったのは私だけ…。男バスの子はみんな知ってた。川口くんがあんたのこと好きだって。
だから、あんたらがボウリングに来ないって、デートでもしてるんじゃないかって男子は噂してたけど…本当だったなんてね」

そっか…。

「だから、目障りだから、もう部活に来ないで。あんたみたいな嘘つきの男好きがいたら風紀が乱れてチームワークが乱れるの」

彼女たちは去って行った。

私はスポーツバッグを抱きしめて、しばらくその場で立ちつくした。

/ 85ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp