第7章 散華
部活動の大きな大会は大抵夏休みにある。当然予選はその前にある訳で、大会に参加する部はどこの部も予選に向けて練習することになる。
特に運動部はインターハイという大きな目標がある。バスケ部ももちろん例外ではなく毎日厳しい練習があるのだ。と、なれば必然的に彼は忙しくなる。
私は困っていた。彼に告白しようとすると、ことごとくすれ違うのだ。それはもう狙ってるのかというくらいの邪魔が入る。やれ部活だ委員会だ日直だテストだと、色々なものが私の決心の邪魔をする。彼はその度にすごく申し訳なさそうな顔をするのだ。彼のせいではないのに。
これはもう告白するなと神様が言っているのかと諦めようとした頃、彼の方から話しかけてくれた。今日の放課後少しなら時間が取れるから、と。いきなりやってきた“その時”に緊張しながら私は頷いた。
お昼休み、律香と二人でお弁当を食べながら、“決戦”の日が来たことを話した。律香は応援してくれた。いつもありがとう律香。頑張るね、私。
お昼休みが終わる頃、静かに雨が降り出した。