第5章 真剣勝負
黒子side
火神君が断固拒否したせいでお化け屋敷には行かず、ゲームコーナーにやってきました。僕は行きたかったのに残念です。どのゲームをしようか迷っていると、小坂さんがクレーンゲームの方を見ていました。
視線の先には、ゆるキャラというのでしょうか、薄ピンクのウサギのようなナニかや白い犬のようなナニかのぬいぐるみがありました。
穂波「あ、“まめもふ”新しいシリーズ出てたんだ」
黒子「小坂さん好きなんですか?あのぬいぐるみ」
穂波「うん、集めてるの。私結構クレーンゲーム得意なんだよ?」
黒子「そうなんですか?僕も結構得意なんです」
穂波「じゃあどっちが先に取れるか競争しない?」
黒子「負けません」
何故でしょう、絶対に負けられない気がしてきました。
律香「それじゃあ黒子君vs穂波のクレーンゲーム早取り勝負を開始します」
神原さん、大袈裟です。
律香「用意…始め‼︎」
僕は500円玉を投入すると、目の前のぬいぐるみに集中しました。
1回目…2回目…小坂さんも順調なようですね。でも僕の勝ちです。3回目でぬいぐるみを落とすのに成功すると、まだ挑戦中の小坂さんの邪魔にならないように静かに言いました。
黒子「取れました。」
みんな驚いているようですね。小坂さん口が開いてます。
下の取り出し口からぬいぐるみを取り出し小坂さんに向って言いました。
黒子「僕の勝ち、ですね」
少し誇らしげな顔をすると、小坂さんの顔が赤くなりました。そんなに悔しかったんでしょうか。
火神「お前スゲーな、黒子」
律香「黒子君の意外な一面見ちゃった気がする…。」
2人とも大袈裟です。
黒子「小坂さんよかったらコレもらってください。」
穂波「え、でも黒子君が取ったのに」
黒子「集めてるんでしょう?僕が持っていても仕方ないですしもらってください」
君にもらってほしいんです。だから、どうか。
穂波「いいの…?ありがとう、大切にするね」
そう言って笑ってくれた笑顔が眩しくて、ドキドキしました。