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幽霊物語

第2章 小学生時代


突然だが、私には前世の記憶というものがある。前世では体が弱く、病気で死んだと思ったらオギャーと産まれたわけだ。
そして、今の私の名前は阿良々木未來だ。
私は思った。物語シリーズじゃねぇか‼︎と。
こんな事を言うと頭の可笑しいヤツだと思うかもしれないが、 別に信じて欲しいわけではないので、どんな事を思われたって良い。いや、どんな事を思われたって良いのは嘘だ。ただ今は、現実逃避をしたい気分なんだ。

余所見をしていたら人にぶつかってしまって、謝ろうと顔を上げたら、ぶつかったであろう少女に謝られてしまった。そこまでは良い。
然し少女は言った。"大丈夫ですか、怪我はありませんか、ごめんなさい、申し訳ありません"と。その言葉で、私は気づいてしまった。
この少女は戦場ヶ原ひたぎなんだと。そして、戦場ヶ原が子供嫌いになるきっかけが私なんだと。
でも、戦場ヶ原がぶつかったのは7歳ぐらいの子供じゃないのか?あれか?私の身長が低いから勘違いしているのか?
渋い顔をしてる戦場ヶ原に向かって、出来る限りの笑顔を見せた。嫌われると分かっていて、何もしない人はいないだろう。

「大丈夫だよ!お姉ちゃんは大丈夫?ぶつかっちゃってごめんなさい」

そう言い、ポケットに入っていた飴を取り出し、目をパチクリとさせている戦場ヶ原に差し出す。

「これあげる!じゃあママが呼んでるから!」

戦場ヶ原が何かを言う前に走りだす。
戦場ヶ原の姿が見え無くなってから、小さく溜め息を尽く。これで真宵ちゃんも安心だろう。なにより、私が嫌な思いをしないですむ。
前世の事もあり、私は結構自己中なのだ。
私は知らなかった。走り去る私を見て、顔をほんのり赤く染めている戦場ヶ原がいるなんて。
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