第96章 整理の後の整理

「あと、時間軸のズレについても話したよ。」


「ああ。まぁ、それも戻ってみないことには
どうなのか分からないからな……」


「そうなんだよね。
もう、戻るのが怖くなる要素しか
ないと思わない？」


「そう？」

「そうでしょ。」


即答するが、モブリットから特に返事はなく、
替わりに小さなため息が聞こえた。





「……本当に“火口君”が
俺の転生した人物だったらいいのにな……」


「どうして？」


自分の横で、
仰向けに寝転がるモブリットに視線を向ける。

瞳は既に瞼に覆われていて、表情は見えないが、
いつもの穏やかな表情であることは分かった。




「君の世界でなら、
確実に凛を幸せに出来るから。」



そう言ったモブリットに、
覆い被さるように抱き着いた。




「……びっくりした。」


「いや、そんなこと言われたら
普通こうしたくなると思わない？」


「そうなの？」




「“私の世界でなら、確実にモブリットと幸せになれる”」



どう？なったでしょ？と、言い終わる前に、
逆に押し倒され、
首筋に柔らかい唇が這い始める。