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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第95章 気持ちと記憶の整理の時間





ピクシスに連れられ、
大通りを外れて奥まった道を進む。



暫くすると、夕暮れが似合う、
落ち着いた雰囲気の酒場へ辿り着いた。



中に入ると、
すぐにアルコールの匂いが鼻を掠め、
天井には鹿角の上で灯る灯りが力強くも優しく、
空間を照らし出している。

外観の小ぢんまりした雰囲気とは違い、
酒場の中は広々としていた。



目に優しい光量の
ランタンがテーブルに置かれた、
店の隅の席へ座る。

灯りは穏やかなのに、
凛とした佇まいに惹かれ、
ランタンの灯す火を自然と見つめた。



ピクシスは早々に注文を済ませ、
椅子に浅く腰掛けて足を組んだ。





「いいお店ですね。」

「そうだろう。
ワシが新兵の時からの付き合いだからな。」


「……もしかして、」

「ああ。
君の曾祖父と出会ったのも、
この酒場だった。」


「そうだったんですね。」








「……さて。何から話そうか。」

「私のいた世界のこと、話しましょうか?」

「いいな。
だが、それはメインにとっておきたい。」


クワガタを見つけた時の少年のような、
如何にもワクワクしている瞳を見つめると
思わず頬が緩む。



「それなら何から話しますか?」

「そうだな……
君がこの世界の男共に
気に入られ過ぎていることについて、
でも話すか。」


予想外の返答に目を丸くした。

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