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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第83章 落ち着かない日



「……タチの悪い重役ならその部屋にいる。
あと、これ。
多分何か如何わしい薬打たれた、と思う……」


注射器で刺された部分を指差すと、
ナイルの表情は一層曇った。



「……マズイな。
取り敢えず、お前は場所を移動するぞ。」


ナイルに腕を引かれるまま、
近くの部屋まで誘導される。



部屋に入った途端、
もう立っていることもままならないような
眩暈に襲われ、
部屋にあるソファーに座り込んだ。




「これ何?……媚薬?」


「ああ。多分な。
しかも今巷で話題の、
かなりタチの悪いヤツだ。」


自分の予感は見事に的中し、
その上もっと不安を煽られるような言葉を
付け足され、
もうため息しか出そうにない。



「ほんとここのお偉いさんは、
余計な事しかしないね……」


「……本当にすまない。」


厄介な重役の為に深く頭を下げるナイルは
気の毒でしかないが、
こっちも相当不憫なことは確かだろう。



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