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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第76章 過去と今の差し替え



「あいつは仕事とプライベートの
切り替えがうまいからな。
決定的な目撃情報がない限り噂にもならない。
何年か前に同じ班の女と付き合っていた時も、
二人が恋人同士だったと知ったのは
だいぶ後になってからだった。」

「それって、二年くらい前?」

「なんだ。知ってるのか?」

「その彼女のことは知らないけど、
この二年間彼女がいなかった話は
聞いたことがあって。
何で別れたの?」


「いや。死んだんだ。巨人に食われた。」




ミケのその言葉で、身体中の血が
一気に冷たくなるような感覚を覚えた。





「……その女が死んだときに、
モブリットと恋人同士だったことを
知ったからな。」



頭が真っ白になって、
何も考えられそうにない。


恋人を失う、その立場に自分が立ったら
どうなるんだろうか。

想像しようにも、
思い浮かべることすら怖くて頭が回らない。



「モブリットも一時期は
だいぶ落ちていたようだが、次の調査前には、
もう随分気丈に振舞えるようになっていたな。
……心の内は知らないが、
調査ではいつも通り戦うことが出来ていた。」


ミケの話を聞きながらも、
脳内は全く働いておらず、返事もままならない。


その時、頭の上に
暖かい大きな手のひらの感触が降って来た。

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