• テキストサイズ

君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第71章 繋がる日





モブリットの後姿を見送った後、
手に暖かさを感じ、視線を落とす。



「……エルヴィン?」


「君とモブリットが
仲良くしていたから妬いたよ。
俺も君に触れていたい。」


握られた手はますます強く、
いやらしく絡んでくる。



「このまま基地に帰りたい。」


「いや、さすがにそれは
誰かに見られるとマズイから無理だよ。」


団長と秘書が手を繋いで帰ってきたら、
それこそ好奇の目に晒され、
きっとまた噂が立ってしまうだろう。

それでもエルヴィンは
手を離す兆しが見られず、
そっと顔を覗き込んだ。




「そんな寂しそうな顔、しないでよ……」


「……俺はそんな顔をしていたのか?」


ふと我に返ったように
頬を緩ませるエルヴィンの手を
強く握り返す。



「このまま帰るのは無理だけど……
部屋に戻ったらずっと繋いでいようね。」


「そうだな……ありがとう。」


どこか愁いを帯びた瞳を見つめながら、
そっと手を離し、
並んで基地に向かって歩き出した。

/ 1588ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp