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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第35章 それぞれの行く末




「そんなに自分を抑制して楽しいか?」


楽しくないに決まっているだろう。


エルヴィンは心の中で答える。


「お前はそれが死んでいった仲間への
贖罪とでも思ってるのか?」

「……そんな立派なものじゃない。」


贖罪だなんて恩着せがましい。

そんなことをしてくれるより、
仲間たちは死にたくなかっただろう。



エルヴィンはこれ以上話す必要はないと判断し、
自分の部屋の錠に鍵を差し込む。

が、



「死んでいった仲間たちは、
お前がそうやって
“幸福感”から悉く逃げていることを
どう思うだろうな。」



そのリヴァイの言葉で手を止めた。




「自分は憧れのエルヴィン団長に殺された、
と、思う兵士は、
どのくらいいるんだろうな。」

「……リヴァイ、何が言いたい。」

「お前が思っているほど、
死んだ仲間たちはお前を思ってない。」


エルヴィンはそっと目を瞑り、
リヴァイの言葉に聞き入る。



「そもそも、調査兵団に入った以上、
覚悟はしていた筈だ。
お前の指示のお蔭で死にました、
という兵士はいない。
死んだのは自分の意思だ。
お前の指示で捨て身の奮闘をしたとしても、
戦うことを選んだ自分自身の責任だ。」


リヴァイは自分の声が
少し大きくなっていることに気付き、
一旦小さく、フッと息を吐いた。

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